KUS剤は細胞内のATPを維持する作用、小胞体ストレスを軽減する作用を有することが報告され、現在までマウスやブタ心臓虚血障害モデルにおいてKUS剤が改善効果を示すことを既に我々は報告している。 本研究では同じく小胞体ストレスが増大する心不全におけるKUS剤の治療可能性に注目し、心不全モデルを用いて臨床応用の可能性を探った。マウス弓部大動脈狭窄-心不全モデルに対しKUS剤もしくは5%ブドウ糖液の3週間腹腔内投与を行った。 その結果KUS剤投与ではControl群と比べ心肥大や肺水腫を抑制し、左室収縮能機能の悪化を抑制した。これらの結果はKUS剤の心不全への治療が有効である可能性を示した。
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