研究課題
研究活動スタート支援
我々はアストロサイトの足突起にAQP4チャネルと共発現するTransient Receptor Potential Vanilloid 4 (TRPV4)に注目し、TRPV4の脳梗塞の新規治療標的としての有効性を明らかにするため実験を行った。Trpv4ノックアウトマウスでは野生型マウスと比較して脳虚血再灌流後の梗塞サイズが小さく、脳浮腫が軽減され、blood brain barrier(BBB)の機能、構造が保持されるとともにアストロサイト足突起の浮腫が抑制された。
脳血管障害
本研究結果から、急性期にTransient Receptor Potential Vanilloid 4 (TRPV4)を抑制することは再灌流直後のアストロサイト足突起の浮腫を軽減しblood brain barrierを保持することで脳保護的に働くと推察された。主幹動脈閉塞を伴う急性期脳梗塞に対する急性期再開通療法の進歩が著しい近年において、虚血再灌流後の脳損傷に対する脳保護効果を示した本研究結果の意義は大きいと考えられる。