研究実績の概要 |
日本において全国と地域における胎児心臓診断率(Detection Rate)を調査は、日本における重症先天性心疾診療に関する予後改善に重要な情報をもたらすとし全国調査を行った。 方法は1歳未満に初回心臓手術を受けた重症先天性心疾患症例を調査解析対象とし、日本心臓血管外科データベース(JCVSD)を使用して、診断・胎児診断の有無・出生地(都道府県および東京都内市区)・初回手術時年齢・予後の情報から、各地域のDetection Rateを算出した。データの検証として東京都の先天性心疾患手術を年間100例以上施工している4施設で同様の実地調査を行い比較検討した。得られたデータは研究計画書に従った方法で、解析・管理し、研究結果を報告した。 結果は、全国の平均Detection Rateは全国で0.41であった。都道府県別Detection Rateにおいて特定の傾向を示さず、人口・都市部との間に有意な関係はないことが判明した。Detection Rateの経年推移は年間約2%の伸び率であった。疾患により四腔断面にて検知しやすい疾患は0.59-0.70とDetection Rateが高く、大血管疾患は0.12-0.37と低値であった。東京都のDetection Rateは全国調査と実地調査において差はなかった。 得られたデータからDetection Rateと地図を組合わせDetection Rateの地域格差を確認できる胎児心臓スクリーニングマップを作成し、パンフレットを作成配布した。2019年10月にWorld Congress on Ultrasound in Obstetrics and Gynecology, Berlinにて発表、2020年3月に日本胎児心臓病学会発表(学会はコロナ感染による社会的事情により中止)を行った。英語論文の作成・投稿を行った。
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