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2018 年度 実績報告書

心臓マクロファージの分化機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 18H06208
配分区分補助金
研究機関東京大学

研究代表者

松原 巧  東京大学, 医学部附属病院, 登録診療員 (60824836)

研究期間 (年度) 2018-08-24 – 2020-03-31
キーワードマクロファージ / 心臓 / 分化 / アンフィレグリン
研究実績の概要

本研究は心臓マクロファージの機能的分化マーカーであるAmphiregulin(Areg)に着目し、心臓マクロファージの分化機構を明らかにする事を目的としている。Areg発現に関与する受容体遺伝子としてAdrb2とGpr65を明らかにしており、これらのノックアウトマウスの心臓マクロファージをフローサイトメトリーにて採取し網羅的遺伝子解析を行った。その結果、それぞれのノックアウトマウスで数個の転写因子及びnon-coding RNAが候補として挙がり、in vitroでのノックアウトを行いAregの発現に関与している可能性について評価する予定である。
Adrb2ノックアウトマウスについてはシングルセルRNAシーケンスを行いAreg発現マクロファージと非発現マクロファージの存在が明らかになり、今後これらの分画のマクロファージについて解析を検討している。
またGpr65とAdrb2のダブルノックアウトマウスを作成し、ダブルノックアウトマウスの骨髄を採取し骨髄移植を行った。マウスの心機能解析を行ったところ定常状態では心機能は維持されている事が確認された。同マウスで大動脈横行結紮を行った心不全モデルにて心機能及び生存期間について検討する予定である。さらにフローサイトメトリーにて心臓マクロファージの表面マーカーについて検討し、マクロファージの分化度について評価する予定である。ダブルノックアウトマウスでは単独ノックアウトよりも心臓マクロファージの分化がより強く抑制される事が期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

これまでにAdrb2ノックアウトマウスとGpr65ノックアウトの網羅的遺伝子解析によって数個の転写因子及びnon-coding RNAが候補に挙がっている事に加えて、特にAdrb2においてシングルセルRNAシーケンスにて新たな分画が発見できる可能性が示唆された点が評価できる。心臓マクロファージの分化成熟の評価について新たな因子が同定できる可能性があり、転写因子やnon-coding RNAと共に新規性の高い発見ができる可能性がある。

今後の研究の推進方策

Adrb2とGpr65のダブルノックアウトの骨髄移植マウスで心不全モデルマウスを作成し心機能解析及び生存率の評価を行う。さらに骨髄移植マウスの心臓マクロファージをフローサイトメトリーで採取し、表面マーカーの変化及び網羅的遺伝子解析を行い、心臓マクロファージの分化に必須の特異的転写因子及びnon-coding RNAの絞り込みを行う予定である。
ダブルノックアウトマウスの骨髄移植マウスでは心機能が維持されてた事から、ダブルノックアウトで有意な表現型が認められなかった場合に、単独ノックアウトの骨髄移植モデルでの評価も行う。単独ノックアウトの骨髄移植は1ヶ月程度で評価可能である。
ダブルノックアウトマウスの心臓マクロファージの網羅的遺伝子解析で候補に挙がる転写因子及びnon-coding RNAについてin vitroでのノックアウト実験を検討する。

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公開日: 2021-01-27  

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