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2018 年度 実績報告書

ナトリウム利尿ペプチドの転写制御機構の解明と心不全治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 18H06212
配分区分補助金
研究機関大阪大学

研究代表者

松岡 研  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90826190)

研究期間 (年度) 2018-08-24 – 2020-03-31
キーワードCR9 / エンハンサー / 心不全 / ナトリウム利尿ペプチド
研究実績の概要

ナトリウム利尿ペプチド(ANP/BNP)両遺伝子はゲノム上隣接して存在し、その遺伝子産物は血管拡張・利尿作用を持つペプチド性ホルモンであり、心不全重症度指標・心不全治療薬として臨床で頻用されている。我々は不全心におけるANP/BNP の発現を誘導する機序を解明するため、先行研究にてANP/BNP 遺伝子を誘導する650 塩基からなる心不全感受性エンハンサー領域(CR9)を新規に同定した。しかしCR9 が誘導される機序は依然として不明である。本研究において、同定したANP/BNPエンハンサー(CR9)がどのような刺激で誘導されるかを解明することを試みた。
まずは培養細胞レベルで評価するために、CR9領域 650bpにレポーター(Luciferase)遺伝子を繋げた配列を培養心筋細胞に導入し、内因性ANP/BNPの発現と高い相関性をもって発光測定でCR9エンハンサー活性を評価できる系を確立した。また細胞への力学的負荷として、従来の進展刺激に加え、圧負荷心不全モデルを模倣した細胞への圧負荷刺激の実験系も確立した。今後これらの実験系を用いて、培養心筋細胞に交感神経受容体刺激や伸展刺激・圧負荷刺激を行い、エンハンサー活性を評価する予定である。
またin vivoにおいてエンハンサーを誘導する刺激を評価するために、先行研究で作成したCR9-Luciferaseトランスジェニックマウスに対して、薬剤性心肥大モデルや薬剤性心不全モデルにおいて、発光ライブイメージングで心臓におけるエンハンサー活性を評価する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度において、培養心筋細胞においてCR9エンハンサーが誘導されるメカニズムを解明するために、内因性ANP/BNPの発現と高い相関性をもって発光測定でCR9エンハンサー活性を評価できる系を確立した。更には、細胞への力学的負荷として、従来の進展刺激に加え、圧負荷心不全モデルを模倣した細胞への圧負荷刺激の実験系も確立できた。またin vivoにおいてCR9エンハンサーが誘導されるメカニズムを解明するために、薬剤性心肥大モデル(Phenylephrine負荷)と薬剤性心不全モデル(Doxorubicine負荷)を確立できた。これらの実験系により、次年度には培養心筋細胞・in vivoの両方において、CR9エンハンサーが誘導されるメカニズムの解明が可能になると考えられる。

今後の研究の推進方策

本年度で確立できた実験系を用いて、次年度では培養心筋細胞に交感神経受容体刺激や伸展刺激・圧負荷刺激を行い、CR9エンハンサー活性を評価する予定である。またin vivoにおいてエンハンサーを誘導する刺激を評価するために、先行研究で作成したCR9-Luciferaseトランスジェニックマウスに対して、薬剤性心肥大モデルや薬剤性心不全モデルにおいて、発光ライブイメージングで心臓におけるエンハンサー活性を評価する予定である。更に生体におけるCR9エンハンサーの機能を解明するために、CR9ノックアウトマウスを作製する予定である。

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公開日: 2021-01-27  

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