本研究で得られた結果から、オートファジー抑制分子として知られていたRubiconが、エンドサイトーシス性分解の抑制によるβ受容体の維持というメカニズムを介して、心臓保護作用を有する可能性があることが示唆された。心不全では心筋細胞膜上に存在するβ受容体が減少することが知られているが、これまで、心不全においてβ受容体が減少するメカニズムは明らかになっていない。その一端を明らかにした本研究は、エビデンスに基づいた治療を行っているにも関わらず、長年予後の劇的な改善が見られていない心不全治療において、新たな治療標的を提示できる可能性があり、今後の治療法や治療薬の開発に重要な意味を持つと考えられる。
|