クッシング病は副腎皮質刺激ホルモン産生下垂体腺腫を原因とする難治性疾患である。手術が第一選択として行われるが、寛解率は高くなく、有効な治療薬が望まれている。本研究ではクッシング病の新たな治療薬候補としてニューロメジンBの働きを抑える薬剤を用いて検討を行った。まず細胞を用いた実験で同薬剤が細胞の増殖やACTHの分泌を抑えることを発見した。次にクッシング病のモデルマウスを米国より取り寄せた。今後同薬剤をマウスに投与する予定である。手術の際に得られた下垂体腫瘍検体を用いた検討も臨床研究として承認され、今後検討予定である。本研究からクッシング病の新たな治療薬を見出し患者の生活の質の向上が期待される。
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