近年がん領域で米国を中心にクリニカルシーケンスが実臨床に用いられるようになり、国内においても普及し始めている。クリニカルシーケンスは解析で得られた網羅的な患者ゲノム情報を基に治療方針や治療薬の選択が行われ、プレシジョンメディスンとほぼ同義である。治療方針の決定は過去の学術論文や構築されたデータベースを基盤としている。小児急性骨髄性白血病(AML)においても予後因子となりうる遺伝子変異の同定は急務である。本研究は小児AMLの網羅的遺伝子解析を行い、予後に関与しうる複数の遺伝子を同定した今後のプレシジョンメディスンへの基礎となりうる研究であり、将来の小児AML予後改善へつながる可能性を持っている。
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