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2019 年度 実績報告書

心停止肝移植におけるパーフルオロカーボンを用いた新しい臓器灌流保存法の開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K21336
配分区分基金
研究機関京都大学

研究代表者

奥村 晋也  京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (70830032)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2020-03-31
キーワード臓器保存 / 心停止肝移植
研究実績の概要

心停止後ドナーからの肝移植(心停止肝移植)はドナーの不足を補う新しい肝移植医療として注目されているが、肝臓(グラフト)の虚血時間が長くなることから、移植肝が長時間の低酸素状態にさらされる。そのため、移植後の肝障害(虚血再灌流障害)が強く、グラフトの機能不全や虚血性胆管障害を高率に発症し、通常の脳死肝移植に比べて術後成績および予後が不良であり、その改善策が強く望まれている。本研究では、ラット肝移植モデルを用いて、臓器保存液に高い酸素溶解能と酸素運搬能を備えるパーフルオロカーボン(PFC)を使用してグラフト肝に十分な酸素化を行うことで、心停止肝グラフト機能の改善を目指す。
ラット心停止肝移植モデルを確立した。心停止時間を30分から60分の間で段階的に設定した心停止肝グラフトを使用した。レシピエントラットに実際に心停止肝グラフトを全肝移植し、移植後の虚血再灌流傷害の程度について評価を行った。臓器保存中にPFCを用いて酸素化を行った群と、通常の単純冷保存群での比較検討を行った。
移植後の肝逸脱酵素(AST, ALT)、胆道系酵素(ビリルビン・ALP)、血管内皮障害マーカー、脂質酸化ストレスマーカーの測定結果では、PFC使用群において虚血再灌流傷害の軽減が認められた。血漿中のサイトカインアッセイ、HE染色による傷害のスコアリング(Suzukiスコア)、TUNEL免疫染色によるアポトーシスのスコアリング(TUNEL Index)でも、PFC使用群で虚血再灌流傷害の軽減が認められた。臓器保存中にPFCを用いたグラフトの酸素化を付与することにより、一定のグラフト機能の改善を確認した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Auxiliary xenotransplantation as an in vivo bioreactor- Development of a transplantable liver graft from a tiny partial liver2019

    • 著者名/発表者名
      Masano Yuki、Yagi Shintaro、Miyachi Yosuke、Okumura Shinya、Kaido Toshimi、Haga Hironori、Kobayashi Eiji、Uemoto Shinji
    • 雑誌名

      Xenotransplantation

      巻: 26 ページ: epub

    • DOI

      10.1111/xen.12545

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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