今回の検討ではブタを用いて心停止ドナーモデルを作成しポータブル心臓灌流装置内で、灌流保存及び心機能評価を行なった。結果として、ポータブル心臓灌流装置を用いて心臓を灌流することは可能であり、特に生体外での評価が難しいとされる右室機能の測定も行い、移植前評価が可能であることが示唆された。心機能はベースラインに比べ、約75%と低下が認められたことから、灌流方法の改善が必要と考えられた。しかしながら本研究で得られた成果は、ポータブル心臓灌流装置によって、心停止ドナーからの心移植の際の心臓灌流や心機能測定を可能にすることで、ドナー不足の問題を解決し、今後の移植医療の発展に大きく貢献するものと考えられた。
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