研究課題/領域番号 |
18H06262
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
今堀 太一郎 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (30604277)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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キーワード | 頚動脈狭窄症 / 脆弱プラーク / 小胞体ストレス応答 / 脳梗塞 |
研究実績の概要 |
本研究は、脳梗塞の重要な原因である頚動脈狭窄症において、脆弱プラーク形成への小胞体ストレス応答関与機構の解明と、その解明により脆弱プラーク形成のサロゲートマーカーを探索することを目的としている。具体的な研究項目は、①頚動脈狭窄症患者の血液中及び頚動脈プラーク中の小胞体ストレス応答の変化を調べる。②その結果と、超音波エコー・MR プラー クイメージなどの画像所見や病理学的所見で評価するプラークの脆弱性とを比較し、脆弱プラークと相関する小胞体ストレス応答蛋白をサロゲートマーカーとして同定する。③手術治療前後の小胞体ストレス応答の変化と術後合併症の関連を調べる。④同定した小胞体ストレス応答に関連するサロゲートマーカーについて、新たな症例でその有効性を検証する。 まず、頚動脈狭窄性患者の手術前後の画像、血液及び頚動脈プラークサンプル、対照とする未破裂脳動脈瘤患者の血液サンプルなどのデータ収集は、やや遅れているが、既に収集したデータを用いて解析を進行している。 項目①については、収集した頚動脈プラークに対して、小胞体ストレス関連抗体(CD34、CD146、NG2、CD68、GADD153、KDEL、GRP78/BIP)を用いた免疫染色を開始しており、小胞体ストレス応答の関与機構を解析中である。今後は、血液データも解析を進める予定である。 ②については、収集した画像データと、術中摘出したプラークの病理所見の比較を解析中である。今後、それらと①の小胞体ストレス応答の解析結果との関連を検討する予定である。 ③および④については、同様に①の結果との関連を検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
データ収集がやや遅れており、それに伴いデータ解析の進行もやや遅れがみられている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、頚動脈プラークに加えて、血液中における小胞体ストレス応答の解析を進める。これらの解析から得られた結果を、画像所見や病理学的所見を比較し、脆弱プラークと関連する、あるいは、手術前後で変動する小胞体ストレス応答蛋白を探索し、 合併症や症候発生との関連も調査する。さらに、同定したサロゲートマーカーの検証を、新たな症例を集積して行う。
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