研究課題/領域番号 |
18H06264
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
飯村 康司 順天堂大学, 医学部, 助教 (30819222)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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キーワード | てんかん / 脳波解析 / 高周波律動 / カップリング |
研究実績の概要 |
てんかんの焦点診断に有用なバイオマーカーとして、脳波の80Hz以上の高周波律動であるHigh Frequency Oscillations (HFO)に加えて、異なる周波数帯域の脳波が相互に関連性を持つcouplingが注目されているが、HFOや徐波の発生機序や病理学的診断との相関が不明である。そこで、これまでに申請者は、HFOや徐波と病理診断との関係を調べるため頭蓋内電極から得た脳波解析を行い、病的なてんかん性HFOは3-4Hzの徐波とcouplingすることを明らかにした。その結果を踏まえて本研究では、脳波異常の発生機序解明のために、世界で初めて非侵襲的検査である頭皮脳波にて、HFOと徐波のcouplingを解析し、病理学的診断との相関を解明することを目的とした。本研究により、非侵襲的な頭皮脳波による焦点診断が可能となり、頭蓋内電極留置による侵襲が軽減できるだけでなく、投薬や外科治療介入の最適化が可能となり、難治性てんかん患者の発作予後改善に大きく寄与することが期待できる。 現在、順天堂大学てんかんセンターを受診したてんかん患者の発作間欠期頭皮脳波(2006年-2017年までに当科で頭蓋内電極留置した100例)を用いて、HFOおよびHFOと徐波のcouplingを解析した。申請者が、これまで頭蓋内脳波にて開発した手法を、頭皮脳波に応用する。頭蓋内脳波および頭皮脳波を用いたてんかん性HFOに対するcoupling解析の精度を比較検討している。その結果を、国際学会や、国内学会で発表している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
解析対象を、頭蓋内脳波から頭皮脳波へと応用しているが、その手法の獲得に、やや時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
徐波成分はグリア細胞の機能を反映し、HFOは神経細胞の機能を反映するとの報告があるが依然、発生機序は不明である。てんかん焦点切除術を施行した難治性てんかん患者の頭皮脳波にて、HFOならびにHFOと徐波とのcouplingを解析する。その結果と、患者の病理学的診断との関連性について検討する。
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