今後の研究の推進方策 |
本年度も引き続き、マウス消化器癌モデルを利用し、各癌腫(口腔癌・大腸癌)の化学療法と抗PD-1併用療法を施行し、両者が与える腫瘍抗原特異的T細胞、腫瘍内微小環境、癌細胞への影響を検討する。(検討項目)i)標準的癌治療法・癌免疫複合療法前後のエフェクターT細胞{CD4 T 細胞(Th1, Th17, Th21)、細胞傷害性キラーCD8T 細胞 (CTL)、NK 細胞}の質的{IFN-gamma, IL-17, IL-21, TNF-alpha, IL-2などのサイトカイン産生能、PD-1, CD28, CTLA4, OX40, CD137, CD27, ICOS, TIM-3などの副刺激関連分子発現、CD62L, CD44, CCR7, CD95, CD127 などのメモリーマーカー(memory stem marker を含む)の発現、各サイトカインのプロモーター部のメチル化解析}及び量的変化(腫瘍内浸潤T細胞数、脾臓・所属リンパ節内のT細胞数、アポトーシス数)を検討する。ii) がん免疫複合療法前後での腫瘍内微小環境(腫瘍内微小血管密度、腫瘍内マクロファージ、腫瘍内樹状細胞、骨髄由来抑制性細胞)や抑制性T細胞(Foxp3+CD4T細胞やIL-10+Tr1細胞等)の質的量的変化。iii) がん免疫複合療法前後での、癌細胞の細胞周期解析、アポトーシス、stemnessに関わる分子のmRNA発現並びに機能解析を行う。 B. NOG マウス(NOD.Cg-Prkedcscid Il2rgtm1Sug/Jic)に坦癌患者より得られた癌細胞由来オルガノイドあるいは癌組織片を皮下接種し、「生体内癌免疫応答再構築in vivo モデル」を作製し、A のマウスモデルで得られた知見が、ヒトにおいても同様な結果が得られるかどうかを検証する。 C. Aで得られた現象の詳細な分子機序を解明する。
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