研究課題
摂食嚥下関連筋の筋力低下は嚥下障害を引き起こす。嚥下障害の発症リスクを予測するためには,摂食嚥下関連筋の筋力低下に影響する因子も検討する必要がある。これまでの研究で,姿勢とむせの関連など,体幹保持機能と嚥下機能について臨床的に関連があることは報告されていたが、摂食嚥下関連筋と体幹との直接的な関係を示した報告はなかった。本研究では,摂食嚥下関連筋の筋力と体幹との関連を明らかにすることを目的とした。今年度実施した健常高齢者を対象とした研究において、舌の筋力(舌圧)は加齢や咬合状態よりも、体幹の筋力である背筋力とより関連性が強いことが明らかとなった。これまでに、舌圧は加齢で低下すること、咀嚼運動における舌と咬合状態の関連性等が報告されてきたが、この研究結果より、摂食嚥下機能の評価においては、口腔領域のみならず全身的な評価が重要であることが示唆され、今後の舌圧評価や嚥下訓練における新たなアプローチにつながるものと考える。研究の成果は、2019年6月に開催された第30回日本老年歯科医学会(国内)、および2019年9月に開催された9th ESSD annual meeting(国外)で報告し、2020年1月に論文として発表した(Yoshimi et al.,Aging Clinical and Experimental Research 2020)。また、要介護高齢者を対象とした研究では、摂食嚥下関連筋の筋力・筋量と体幹の筋量の関連について、および摂食嚥下機能と生活の質や社会参加との関連について、第30回日本老年歯科医学会と第25回日本摂食嚥下リハビリテーション学会において発表した。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件)
Aging Clinical and Experimental Research
巻: - ページ: -
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