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2018 年度 実績報告書

歯周炎の病態に対する腸内細菌叢の影響と関連メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 18H06274
配分区分補助金
研究機関新潟大学

研究代表者

佐藤 圭祐  新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (80828905)

研究期間 (年度) 2018-08-24 – 2020-03-31
キーワード歯周炎 / 腸内細菌 / 糞便移植 / メタボローム
研究実績の概要

本研究は、歯周炎の発症と進行に対する腸内細菌叢の影響とその関連メカニズムを解明することを目指す。主要目的は、糞便移植により確立した異なる腸内細菌叢を有するマウスに実験的歯周炎を惹起させることにより、腸内細菌叢の違いが歯周炎の病態に与える影響について解析することである。第二の目的は、腸内細菌叢の違いと歯周炎の病態との関連メカニズムの解明することである。
これまでに、異なる腸内細菌叢をもつマウス群を確立するために糞便移植実験を行った。糞便移植は過去の報告をもとにSpecific pathogen free(SPF)環境にて行い、抗生剤投与を行った後、ドナーマウスの糞便を経口投与にて移植した。移植糞便として腸内細菌叢の変動と全身性の影響が報告されている高脂肪食給餌マウスの糞便(HFD群)と、コントロールとして普通食給餌マウスの糞便(NC群)を使用した。糞便移植後のマウス腸内細菌叢メタ16S rRNAを行ったところ、2群間で腸内細菌叢が異なることが確認された。その後、絹糸結紮法にて実験的歯周炎を誘導したところ、NC群と比較してHFD群で歯槽骨吸収が重度に進行することが明らかになった。中間データを2019年5月に日本歯周病学会学術大会にて発表予定である。
腸内細菌叢の違いと歯周炎の病態との関連メカニズムとして、腸管バリア機能の低下、腸管免疫能のバランス崩壊、腸内細菌代謝産物が影響しているという仮説のもと検証を行った。NC群とHFD群で腸管バリア機能、腸管免疫応答に変動は認められなかったが、血清中の腸内細菌代謝産物に違いが認められた。
以上より、歯周炎の発症・進行に腸内細菌の代謝産物が影響している可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の主要目的である腸内細菌叢の違いが歯周炎の病態に与える影響については、糞便移植により確立した異なる腸内細菌叢を有するマウスに実験的歯周炎を誘導したところ、歯周炎の重症度に違いが生じたことより明らかとなっている。また第二の目的であるメカニズムの検証についても、マウス血清中のメタボローム解析を行ったところ、いくつかの腸内細菌代謝産物濃度に違いが生じることが明らかになったことから、腸内細菌代謝産物の影響が示唆される。また、候補となる腸内細菌代謝産物について、歯周炎に与える影響についての検証を開始した。以上より、研究仮説を検証するために必要なデータを集める目途がたってきている。

今後の研究の推進方策

最終年度は、腸内細菌叢の違いと歯周炎の病態との関連メカニズムの解明を目指す。そのために、マウス血清中のメタボローム解析により変動が認められた腸内細菌代謝産物が歯周炎に与える影響について検証を行う。また、腸管バリア機能、腸管免疫能についても解析をおこない再現性の確認していく。
また、試料採取終了後得られたデータを用いて学会発表、論文作成を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 腸内細菌の変動が歯周炎の発症・進行に与える影響の解析2019

    • 著者名/発表者名
      佐藤圭祐
    • 学会等名
      第62回春季日本歯周病学会学術大会
  • [学会発表] Dysbiosis of gut microbiota aggravates experimental periodontitis2019

    • 著者名/発表者名
      KEISUKE SATO
    • 学会等名
      The 97th General Session of the IADR

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公開日: 2019-12-27  

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