研究課題/領域番号 |
18H06278
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
中島 健吾 広島大学, 病院(歯), 歯科診療医 (60823200)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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キーワード | SHED / 歯髄幹細胞 / 骨再生 / 口蓋裂 / 顎裂部骨移植 |
研究実績の概要 |
我々は幹細胞を用いた再生治療について研究を行ってきた。その結果、顎裂モデルビーグル犬にbone marrow mesenchymal stem cells(BMSCs)を移植することで、顎裂部の骨再生を達成した。さらに、侵襲を避けて細胞採取が可能なヒト乳歯歯髄由来のstem cells from human exfoliated deciduous teeth(SHED)およびヒト永久歯歯髄由来のhuman dental pulp stem cells(hDPSCs)に着目し、それらが生体内においてhuman BMSCs(hBMSCs)と同程度の骨再生能を有している事を明らかにし報告した。さらに、in vitroの実験により、SHEDおよびhDPSCs、hBMSCsの増殖能、骨分化能について報告した。本研究では、SHEDおよびhDPSCsを応用した顎裂部骨再生治療の確立を最終目的として、乳歯歯髄および永久歯歯髄中における骨再生に有用な細胞集団を解明することを目的としている。 これまでにSHEDとhDPSCsおよびhBMSCsの細胞増殖能および骨分化能について比較検討を行い、その結果は学術雑誌に掲載された(Biochem Biophys Res Commun. 2018;501(1):193-198)。 現在、フローサイトメトリーによりSHEDの表面抗原を解析を継続している。セルソーティングした細胞集団とセルソーティングを行っていないヘテロな細胞集団の細胞性質について比較・検討を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
乳歯から単離した乳歯歯髄間葉系幹細胞についてのin vitroの実験系による検討結果を論文に掲載された(Biochem Biophys Res Commun. 2018;501(1):193-198)。今後は、歯髄より単離したヘテロな細胞集団をフローサイトメトリーを用いて、モーラ的解析を継続し、歯髄由来の間葉系幹細胞に特有な表面抗原の探索を行う。一部の表面抗原において、セルソーティングを行い、その細胞集団の細胞増殖能および骨分化能について、ヘテロな細胞集団との比較・検討を行っている。以上より、本研究は概ね良好に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
歯髄より単離した細胞集団を用いて、表面抗原をモーラ的に解析を行う。その結果より、乳歯歯髄に特有な複数の表面抗原を抽出し、それぞれの含有率を求める。それらの表面抗原より多重染色を行いフローサイトメトリーによりセルソーティングを行う。セルソーティングを行った細胞集団を用いて、in vitro系の実験を行う。次に、セルソーティングを行った細胞集団およびヘテロな細胞集団を、免疫不全マウスの頭頂骨骨欠損部に移植し、骨再生について三次元的解析および組織学的検討を用いて比較・検証する予定である。
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