• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実績報告書

羊水由来細胞を応用した組織マクロファージ再構築による萎縮唾液腺の再生

研究課題

研究課題/領域番号 18H06281
配分区分補助金
研究機関長崎大学

研究代表者

楢原 峻  長崎大学, 病院(歯学系), 医員 (50827615)

研究期間 (年度) 2018-08-24 – 2020-03-31
キーワード周産期産物由来細胞
研究実績の概要

我々は周産期由来の細胞、特に羊水中に含まれる単核球成分を採取・培養し、組織マクロファージを移植することで障害あるいは機能低下唾液腺を再生する計画であった。院内倫理委員会から研究の承諾を得た後、当院産婦人科と連携し、予定帝王切開手術で周産期産物の採取方法を確立した。
その後、予定帝王切開手術でヒト羊水、羊膜、臍帯、臍帯血を採取し、それぞれ単核球を分離し、解析を行った。目的の羊水中は想定より胎児の角質が多く含まれており、単球分離は困難であり、また羊水中に含まれる単核球成分も少量であった。またフローサイトメトリーの結果でも目的のマクロファージ表面マーカー(F4/80+、CD45+、CXCR1、CD169、CD11b,CD206)の発現はほとんどなかった。また羊膜上の細胞を採取したが、羊膜および臍帯には単核球より幹細胞が多く、単核球の採取はこちらも困難であった。そこで我々が培ってきた特殊培養方法(5G培養)を用いて羊水中の単核球成分の培養を試みたが目的のマクロファージの培養は困難であった。そこで我々は臍帯血に着目し、単核球を分離、マクロファージの培養を試みている。様々な因子を使用し、現在形態上はマクロファージの発現を認めている。現在解析途中であり、移植に最適なマクロファージの培養方法を思案している段階である。また羊水中に存在している単核球の最適な採取方法を模索している段階である。組織移植は2年目に引き継ぐ予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

羊水中に含まれる単核球を採取し、それを培養する予定であったが、羊水中には胎児の角質が多く含まれており、想定より単核球成分の抽出が困難であった。しかしながら当初の予定とは違うが臍帯血から抽出した単核球では良好な解析結果となっている。最適な羊水からの単核球抽出方法も思案している最中である。
以上の事を踏まえると当初の計画よりはやや遅れているが、着実に進んでいると考えられる。

今後の研究の推進方策

【単核球の採取】現在、臍帯血由来の単核球成分の採取は確立しているが、本来の目的である羊水中の単核球成分の採取はまだ確立していない。胎児の角質が多いため予定帝王切開で採取可能な羊水では単核球分離は困難であるため、妊娠16週ころに実施される羊水検査で採取できる羊水から単核球分離し、抽出・培養が可能か確認を行う。
【唾液腺への定着・免疫寛容能の解析】上記培養で抽出した羊水や臍帯血由来のマクロファージを、放射線照射モデルマウスに直接投与し、唾液腺へのマクロファージ定着の確認を行う。それと同時に免疫寛容能を確認するため唾液腺組織中のTリンパ球を抽出し、活性化リンパ球の表面抗原をフローサイトメトリーにて解析する、また唾液腺中の炎症サイトカインや遺伝子発現をELISA法、RT-PCR法などで解析する。
【唾液腺再生能の解析】回収した細胞を申請者らのグループが既に確立している頭頸部放射線照射による唾液線萎縮モデルマウスに対して直接投与を行い、組織Mφを中心とした羊水、臍帯血由来の細胞による血管新生や抗炎症作用などの組織再生効果の有効性を明らかにし、既に申請者らによって臨床研究が進められている末梢血由来細胞との効果の比較検討を行う。

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi