研究課題
研究活動スタート支援
近年、周産期付属物由来細胞を応用した治療法の開発研究が盛んに行われているが、我々は羊水組織中の細胞群を効率的に培養し、唾液腺再生を可能にする高機能細胞群としての有用性を検討してきた。羊水細胞中には免疫寛容能の高い細胞群があるとの報告があったが、実際の採取となると胎脂が多く、効率的に細胞群を採取することが困難であった。そこで羊水ではなく臍帯や臍帯血から細胞を採取し、免疫寛容能の高い幹細胞を採取することに成功した。
再生医療
これまで処分されてきた周産期産物には(1)細胞の分化・増殖能が高い、(2)免疫寛容能が極めて高いため同種移植の可能性がある、などの特徴がある。これまでも周産期付属物の再生医療の応用は数多く試みられており、特に臍帯血由来造血幹細胞移植は既に広く臨床応用されている。しかしながら日本国内における採取システムやそれらの応用に関してはまだ進んでいないのが現状である。長崎大学では羊膜バンクや細胞バンクを設立し、それらの細胞群の応用から実用化を目指しており、今回の我々の研究は多いに社会的意義があると言える。