活動性根面う蝕を想定した象牙質試料の作成にあたり、ヒト抜去大臼歯の歯根から象牙質試料を採取し、試験面以外をワックスにて被覆したのち、脱灰溶液(酢酸、pH5.0)に3日間浸漬し、象牙質う蝕を模倣した脱灰病変モデルの作成に成功した。そのモデルを用いた試料にUVA活性リボフラビン架橋法を実施し、pH7.0の再石灰化液に浸漬させることにより、走査型電子顕微鏡像において石灰化物の析出を検出し象牙細管の開口度の差異を明らかにし、そして、析出した石灰化物の元素分析の結果、象牙細管内にはリン酸カルシウムを主成分とする組織の沈着を確認することができ、本手法による象牙質の再石灰化の促進が示唆された。
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