水酸アパタイトおよび炭酸アパタイトを組成とするハニカム構造体を作製し、主としてモデル骨欠損(大腿骨に形成)に埋入することで生体反応(新生骨への置換)を調べた。炭酸アパタイトについて、マクロ気孔径(100から300 μm)の影響を調べた結果(in vivo評価)、300 μmの気孔径で顕著な(骨欠損全体および各ハニカム気孔内部で)新生骨形成を認めた。すなわち、一軸方向に沿った骨伝導に有効な気孔径を理解することができた。 また水酸アパタイトとの比較では、MC3T3-E1細胞を用いたin vitro評価において、炭酸アパタイトが水酸アパタイトに対して約2倍のALP活性を示し、高い骨伝導性が確認された。さらにin vivo評価では、炭酸アパタイトが埋入後4週でマクロ気孔内部で成熟骨を形成し、埋入後12週で顕著な材料の吸収・骨への置換を示したのに対し、水酸アパタイトは埋入後12週でもほぼ吸収されず残存し、マクロ気孔内部への成熟骨形成は限定的であった。これにより、炭酸アパタイトの骨補填材としての有用性を理解することができた。
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