研究課題/領域番号 |
18H06297
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
高井 瑞穂 (山崎瑞穂) 日本大学, 松戸歯学部, 助手(専任扱) (20822620)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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キーワード | AMTN / miR-200b / 接合上皮 / TNF-α / 歯肉上皮細胞 |
研究実績の概要 |
ヒト歯肉上皮細胞Ca9-22をTNF-αで12時間刺激すると、AMTN mRNA量は増加した。miR-200b発現プラスミドを導入するとTNF-αによるAMTN mRNA量の増加は抑制された。Ca9-22細胞にmiR-200b inhibitorを導入しTNF-αで刺激するとAMTN mRNA量はさらに増加した。-353塩基上流から+60までのヒトAMTNプロモーター領域を含むルシフェラーゼプラスミドにAMTN 3’-UTRを挿入し、コンストラクトを作製した。これをCa9-22細胞に導入し、TNF-αで12時間刺激するとルシフェラーゼ活性が上昇したが、miR-200b発現プラスミドを導入するとTNF-α刺激による活性上昇は部分的に抑制された。TargetScan7.1を用いてmiR-200bの標的遺伝子予測を行った結果、TNF-α刺激により活性化されるNF-κB経路中の因子であるIKKβの3’-UTR中にmiR-200b結合配列があることが予測された。Ca9-22細胞をTNF-αで刺激するとIKKβ mRNA量は増加し、miR-200b発現プラスミドを導入すると減少した。Ca9-22細胞をTNF-αで刺激するとAMTNタンパク量は12時間後に増加した。IKKβタンパク量は6時間後に最大となった。Ca9-22細胞をTNF-αで刺激すると、AMTNタンパク量は増加した。IKKβタンパク量は、miR-200b発現プラスミドを導入すると無刺激時、刺激時ともに減少した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒト歯肉上皮細胞Ca9-22をTNF-αで刺激すると、AMTNおよびmiR-200b発現量が増加することが明らかになった。ヒトAMTN 3'-UTRを含むルシフェラーゼコンストラクトの作製に成功し、ルシフェラーゼアッセイを行った。ルシフェラーゼ活性はTNF-α刺激により増加し、miR-200bの過剰発現により抑制されることが確認できた。miR-200bの標的遺伝子を検索し、TNF-αにより活性化されるNF-κB経路中のIKKβのmRNA量およびタンパク量がmiR-200b過剰発現により抑制されることがわかった。
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今後の研究の推進方策 |
miR-200b発現プラスミドを導入したCa9-22細胞をTNF-αで刺激し、AMTN抗体を用いて免疫蛍光染色を行い、細胞内でのAMTNタンパクの局在の変化を解析する。Ca9-22細胞にNF-κBおよびIKKβ阻害剤を作用させ、全RNAおよびタンパクを抽出し、定量PCRまたはウェスタンブロットにて解析し、TNF-αによるAMTN遺伝子発現とNF-κB経路の関連性を検証する。
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