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2019 年度 実績報告書

リプログラミング技術を用いた口腔扁平上皮癌幹細胞の特性分子探索

研究課題

研究課題/領域番号 19K21387
配分区分基金
研究機関日本歯科大学

研究代表者

平島 寛司  日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (50824661)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2020-03-31
キーワード癌幹細胞 / リプログラミング / 口腔扁平上皮癌 / iPS細胞
研究実績の概要

本研究では、口腔扁平上皮癌(OSCC)幹細胞を標的とした治療の実現に向け、iPS 細胞作製に用いるリプログラミング技術によってOSCC 細胞の分化段階を巻き戻し、人工的に癌幹細胞様の細胞 (人工癌幹細胞) の作出を試みた。3種類のOSCC細胞株であるCa-9-22 (歯肉癌) 株・HSC-3-M3 (舌癌)株・KON (口底癌) 株に対してリプログラミングを行った結果、CD133、ALDH1等の癌幹細胞マーカー分子や、Nanog、Oct3/4等のの未分化マーカー分子の一時的な遺伝子発現上昇を認める細胞の作製に成功した。しかし単なるリプログラミングでは、その性質を長期間維持するのは困難で、多能性幹細胞様のコロニーの形成も認められなかった。一方で、リプログラミング直後にCD90/Thy-1およびCD24の一過性発現上昇がみられることが明らかとなり、OSCC幹細胞における特性分子の候補として検討中である。
以上の結果を踏まえ、リプログラミングOSCC細胞の未分化維持法の確立が必要と考え、MACS(磁器細胞分離法)を用いたセレクション法を検討したところ、継代時にTra-1-60陽性細胞をセレクションすることで、コロニー状構造を形成する細胞集団を維持できることが明らかとなった。このTra-1-60陽性細胞群は、2週間に1回程度の継代を行うことで維持が可能な、非常に増殖能の低い細胞集団であり、Tra-1-60陰性細胞群と比較して未分化・癌幹細胞マーカーともに高い遺伝子発現レベルを示した。リプログラミングOSCC細胞の未分化維持法の開発に時間を要したため、人工口腔癌細胞の特性分子の詳細な解析は途上であるが、引き続きリプログラミングOSCC細胞の遺伝子発現パターンや細胞膜電位等の解析、腫瘍形成能の評価に加え、癌オルガノイドの作成による腫瘍形成過程のin vitroでの評価に繋げる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] リプログラミングによる口腔がん幹細胞様細胞の作製と評価2020

    • 著者名/発表者名
      平島 寛司, 齋藤 敦史, 宮坂 彩子, 澤野 和生, 佐藤 住美江, 高田 清美, 池田 利恵, 菊池 憲一郎
    • 学会等名
      第19回 日本再生医療学会総会

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公開日: 2021-01-27  

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