研究課題
研究活動スタート支援
歯の発生メカニズムを明らかにするため、エナメル質形成に関与する遺伝子であるAMBNとSox21のノックアウトマウス(AMBN-KO、Sox21-KO)及びそれらを交配したダブルノックアウトマウス(W-KO)を解析した。表現型を解析した所、AMBN-KO、Sox21-KO、W-KOの全てにエナメル質形成不全を認めた。切歯をSEMで撮影しEDX解析したところ、AMBN-KOでは無機物の含有率が増加し、Sox21-KOでは有機物の含有量が増加した。
小児歯科
近年の小児歯科では、MIH(Molar-Incisor Hypomineralization)が注目を集めている。MIHとは、第一大臼歯と切歯に限局して発生するエナメル質形成不全であり、2000年頃より諸外国で散発的に報告が認められた。原因としては諸説あるが、未だ確定には至っていない。エナメル質形成不全では健全歯と比較し齲蝕の罹患率が高く、早期発見と予防処置が重要である。歯の発生の分子生物学的なメカニズム解析により、これらの疾患の遺伝子診断や早期発見は一層発展するだろう。