研究課題
歯周炎は、中・高齢者において特に罹患率の高い感染性疾患であり、歯肉の炎症、歯槽骨など歯周支持組織の破壊を特徴とし、歯の喪失に至る慢性炎症性疾患である。近年では、糖尿病と歯周病は相互に影響することが知られている。抜歯や歯周外科治療などの外科的な侵襲に対して、糖尿病患者では創傷治癒が遅延しやすいことや骨形成が低下していることなどが知られており、糖尿病患者に対する、より安全で効果的な治療が求められている。そこで、我々は低出力レーザー照射(low-level laser therapy: LLLT)が創傷治癒や骨形成を促進することに着目し、LLLTを糖尿病患者の歯科領域における外科的処置へ応用することを目的として研究を行った。細胞実験により高血糖状態が骨芽細胞、骨髄由来幹細胞や血管内皮細胞へ与える影響についての検討を行った。また、動物実験にて糖尿病モデルマウスにおける口腔内の創傷治癒への影響の検討や、糖尿病モデルラットの上顎骨へインプラントを埋入し、糖尿病がオッセオインテグレーションに与える影響を検討した。また、糖尿病の合併症である腎障害が重篤化し透析治療が必要となった患者を対象とした臨床研究を行い、口腔疾患と全身状態の関係性について解析を行っている。さらに、レーザーを用いた歯周治療と関連して、歯周治療におけるLLLTによる疼痛抑制効果についてシステマティックレビューおよびメタ解析を行った。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)
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