本研究の目的はlow-level laser therapy (LLLT)を糖尿病患者における歯科治療に応用することである。そのためにまず本研究では、糖尿病が口腔内に与える影響をin vitroおよびin vivoで検討した。歯周組織の細胞を用いた研究より、高血糖状態は細胞増殖や分化などに抑制的に働くことが示された。糖尿病モデル動物を用いた実験からは、糖尿病は口腔粘膜の創傷治癒を遅延させ、インプラントのオッセオインテグレーションを阻害することが示された。また、LLLTの歯周治療への効果について、システマティックレビューおよびメタ分析を行い、LLLTは歯周治療に伴う疼痛を抑制することを示した。
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