1.Rab44結合タンパク質の同定 Rab44過剰発現細胞を用いてRab44プルダウンアッセイを行い、結合候補分子を質量分析法により同定した。同定された2つの結合タンパクに関して過剰発現細胞を作製している段階である。この細胞を用いて、Rab44との結合確認実験を行う。Rab44はRab45、CRACR2aと同様に高分子Rab GTPaseに分類される。Rab45及びCRACR2aはダイニン、ダイナクチン複合体と結合することによって微小管依存性の移動を制御していることが明らかになっている。このことから、ダイニンと複合体を形成するかのプルダウンアッセイを行った。Rab44の野生型、EFハンドモチーフ欠損型はダイニンと結合することが明らかになった。 2.Rab44のカルシウム感受性の解析 Rab44遺伝子はカルシウム結合領域であるEFハンドモチーフを持つ。カルシウムイオノフォアであるML-SA1刺激による野生型、恒常的活性型、恒常的不活性型のRab44の局在の変化は観察されなかった。EFハンドモチーフ欠損型でもRab44の局在に変化はなかった。また、粒子径の変化、時間依存性の変化も認められなかった。 3.Rab44遺伝子欠損マウスの作製および骨組織・骨代謝解析 Rab44遺伝子欠損マウスを用いて、大腿骨、脛骨のマイクロCT解析を行った。また固定後脱灰パラフィン切片や凍結切片を作製し、TRAP染色、蛍光免疫染色をそれぞれ行った。マイクロCT解析の結果、Rab44遺伝子欠損マウスでは海綿骨の骨梁に変化が現れる傾向が認められた。一方、パラフィン切片でのTRAP染色では破骨細胞の顕著な変化は認められなかった。
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