先行研究より、骨のリモデリングにきわめて重要な働きをする Wnt シグナル伝達経路が日本人の根尖性歯周炎の疾患関連遺伝子であることがわかっている。本研究では、その機構を調べるため、Wnt シグナル伝達経路を活性化するリチウムクロライド(LiCl)を根管貼薬剤として根尖性歯周炎モデル動物を用いて解析した。LiCl貼薬群はコントロール群と比較して、根尖病変の治癒が促進しており、免疫の賦活化も生じていることが明らかとなった。将来的には、本研究の成果をもとにして、LiCl を用いたシグナル伝達経路をターゲットにした骨形成および免疫の賦活化を行う、次世代根管貼薬剤の開発につなげていきたい。
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