研究課題/領域番号 |
18H06340
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
堀 大介 筑波大学, 医学医療系, 助教 (10823693)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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キーワード | 社会的報酬 / NIRS / 職域 / 脳機能 / 対人関係 |
研究実績の概要 |
労働者が強いストレスを感じている事柄で「対人関係」の問題は大きな割合を占めており、対策が求められている。職場で褒めて・褒められることは対人関係を円滑にするのみならず、モチベーション維持やパフォーマンス向上にも繋がる。脳機能イメージング技術によって、社会的報酬によって脳機能が活性化する機序が明らかにされつつあるが、多くの研究はシミュレーション環境で実施されている。本研究では、褒められたり認められたりするといった社会的報酬を、職場の関係性の中での脳活動計測データにより定量化する。最終的には、職場でのコミュニケーションや良好な職場環境の形成に寄与することが本研究の目的である。 初年度である平成30年度は、褒められたり認められたりすることによる脳認知機能の定量的評価法の開発を目指すため、以下の実験計画を策定した。健康で右利きの筑波大学職員で、職場が同じあるいは近しい二名一組を対象として被験者を募集する。手順は、二名一組が向かい合って座り、褒める役と褒められる役を交互に担当する。褒められる役に測定機器である近赤外線分光法(fNIRS)を装着し、前頭極や背外側前頭前野の活動変化を酸素化ヘモグロビン濃度および脱酸素化ヘモグロビン濃度によって推定する。特に関係のない言葉を投げかられた際と、褒め言葉を投げかけられた際の測定結果の差異を観察する。また、得られた脳血流データと、気分プロフィール検査(POMS2)による主観的指標との相関を評価する。さらに、褒め言葉の特徴(努力の過程を評価しているか、共感できているか、さらなる期待を込めているか)との相互的影響を検討する。 本研究の実施に関して、筑波大学医学医療系医の倫理委員会の承認を得た。 平成31年度に被験者の募集と実験を開始する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
倫理委員会承認に時間を要したが、無事に承認された。実験を開始するための機器や調査票などの準備を整えた。平成30年度に予定していた被験者の募集は翌年度にずれ込んだ。しかし、実験は予定通り平成31年度に開始することができる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
2019年4月から6月にかけて、筑波大学の職員を対象に研究協力者の募集を行い、被験者の確保を目指す。並行して5月以降に実験を実施する。7月以降に結果を分析し報告としてまとめ、国内外の関連学会にて発表する。
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