末梢静脈点滴の使用時における静脈炎などに代表される合併症の発生は広範な臨床的問題である。その合併症の発生に関する因子として、カテーテルを留置する血管の位置や形状が指摘されて来ている。しかし現在のところ、看護師は経験と皮膚表面からの観察によって、留置部位を決定し、穿刺を行なっている。我々はこれまでに可視化装置の1つである超音波検査装置を用いてアセスメントを行うことで、より合併症の少ない留置を実現できることを示して来た。しかし、現在の本邦では超音波検査は看護師が一般には実施されておらず、一定の教育を受けてはいない。特に超音波検査画像の読影は困難な場合があり使用の妨げとなっていることが示唆されている。 そこで本研究では超音波検査画像内における必要な情報の抽出を機械学習などに基づく画像処理によって行い、看護師の超音波検査使用をアシストすることを試みている。 特に本年度はこれまでに取得した超音波検査装置を用いた際のデータを分析し、看護師が使用するにあたって抽出に必要な情報の定義付けを行なった。また超音波検査画像における画像処理に関しては超音波検査画像内の血管や留置されたカテーテルの検出、血管外のカテーテルの検出を達成している。
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