研究課題/領域番号 |
18H06348
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
佐田 みずき 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (00822652)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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キーワード | 生活習慣病 / コホート研究 / 小児 / 児童 / 健康教育 |
研究実績の概要 |
本研究では、特に小児期から児童期の食習慣・生活習慣が、その後の思春期・成人期の生活習慣病リスク因子に与える影響を明らかにすることを目的とする。具体的には、平成4年度の3歳児をその後25年間にわたって長期追跡している「茨城県における小児期からの生活習慣病予防に関する研究:IBACHIL(Ibaraki Children's Cohort)研究」について、これまでに同一対象者から収集した調査データ(3歳、6歳、12歳、22歳、27歳)をもとに、小中学生の将来の生活習慣病予防に向けた行動変容に繋げる観点に特化した解析を行う。さらに、その成果等をもとに、小中学生の行動変容に繋げるための学校向けの教材を開発する。そして、小中学生への健康教育に関する保健事業の一環として、申請者がこれまで小中学校での予防対策に関わってきた地域の教育現場に提供し、学校での活用可能性を検討する。 平成30年度においては、茨城県と茨城県立健康プラザの協力を得ながら、27歳時調査のデータ入力を完了するとともに、分析用データセットを作成した。これをもとに、これまで得られた成果を27歳時まで含め検証するとともに、27歳時調査で新たに収集した健康状態と児童期・青年期の生活習慣・食習慣との関連について網羅的・縦断的な解析を進めている。また、IBACHIL研究から得られた成果等をもとにして、地域の教育関係者や研究協力者と意見交換をしながら、小中学生に対する健康教育として実用可能な教材として、健康副読本の作成を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1) 分析用データセットの作成:IBACHIL研究における27 歳時質問調査のデータ入力を完了し、過去に同一の対象者から収集したデータ(3歳、6歳、12歳、22歳)と突合することで、分析用データセットを作成した。 2)健康教育のための教材の開発:IBACHIL研究から得られた成果等をもとにして、小中学生に対する健康教育として実用可能な教材の開発を進めている。具体的には、地域の教育関係者(学校等)から、現場で使用可能な内容について情報収集すると同時に、慶應義塾大学医学部衛生学公衆衛生学の岡村智教教授、大阪大学大学院公衆衛生学の磯博康教授、筑波大学社会健康医学の山岸良匡教授、獨協医科大学公衆衛生学の西連地利己准教授、茨城県保健福祉部保健予防課の入江ふじこ医師、茨城県立健康プラザの大田仁史管理者らの助言を受けて、実際に学校現場で活用可能な健康副読本の作成を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに実施した調査(3歳、6歳、12歳、22歳、27歳)を合わせて、特に児童期の食習慣・生活習慣とその後の生活習慣病リスク因子との関連に特化した解析を進める。具体的には、これまで得られた成果を27歳時まで含めた解析により検証するとともに、27歳時調査で新たに収集した健康状態(食欲不振、不眠、肩こり、腰痛、目の疲れ、薄毛、体力低下等)と児童期・青年期の生活習慣・食習慣との関連を網羅的・縦断的に解析する。その際、個人情報保護の観点から、本研究において、IBACHILのデータ項目のみを維持し、データ内容は現存しない架空のデータとしたダミーデータセットを開発する。これにより研究者は、茨城県立健康プラザ外の所属施設で解析用プログラムの作成を行う等、個人情報にアクセスすることなく解析を進めることが可能となる。このようにして得られた結果を取りまとめ、学会発表を行う。 同時に、IBACHIL研究から得られた成果等をもとにして、地域の教育関係者(学校等)や研究協力者と意見交換をしながら、小中学生に対する健康教育として学校現場で実用可能な副読本を作成する。また、各地域に特化した教材を開発するため、児童・生徒の食習慣・生活習慣の現状を把握するための質問調査等を行う。
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