非薬物療法[ロボット介在活動(Robot Assisted Activity:RAA)]が認知症高齢者の問題行動を抑制する効果を検証した。単回RAA介入の結果,健常高齢者と比較して,認知症高齢者ではRAA後に唾液コルチゾールが低下せず,認知症高齢者では単回RAAによる精神的リラクゼーション効果が得られにくいことが示唆された。また認知症高齢者に対して12週間の長期RAA介入を行った結果,介入後の問題行動の重症度に有意な変化が認められなかったが,Pz領域における安静時脳波のα帯域パワーが有意に増加した。このことから,長期RAA介入は認知症高齢者に精神的リラックス状態をもたらすことが示唆された。
|