研究課題/領域番号 |
18H06355
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
田中 里枝 産業医科大学, 医学部, 助教 (90821637)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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キーワード | 予防医学 / 社会医学 / 産業医学 / 食生活 / 栄養 |
研究実績の概要 |
本研究は職業ごとの労働因子と食生活との関連性を明らかにすることで、産業保健領域での健康教育に有用な質問票を開発することである。研究の遂行のため、労働因子と食生活についての対面でのアンケート調査を行う予定であるが、2018年度はアンケート調査のための質問票作成の前段階として、労働因子と食生活との関連を調べた先行研究について文献検索を行い、全国規模で行われている国内の疫学研究から得られたデータを用いて同テーマに関して解析検討した上で、専門家の意見聴取、オリジナルの質問票作成を開始した。 まず初めに労働因子と食生活に関する先行研究の文献レビューを行い、該当分野における国内外の研究の動向を調査し、今後の研究課題等について検討した(本研究結果は2018年度に学術雑誌へ掲載され、同年度に学会発表を行った)。 次に国内で行われている全国規模の疫学研究のデータを用いて職業ごとの食生活行動や労働時間・交代制勤務と食生活行動との関連性を検討した。労働時間・交代制勤務と食生活行動との関連性に加え、長時間労働や交代制勤務に従事する職業に着眼し、職業ごとの食生活行動を労働時間や交代制勤務との関連性も含め、学術論文としてまとめた(2018年度に学術雑誌へ掲載された)。 これらの研究成果から、労働因子が労働者の食生活に様々な形で影響を及ぼし得る可能性、職業ごとに労働因子の種類や程度が異なること、食生活への影響の程度も異なる可能性についても示唆された。 上記に加えて、行動医学や栄養疫学の専門書籍、産業保健領域の専門家の意見を参考に、職業ごとの特徴や性質を十分に検討した上で、労働因子に関するオリジナルの質問票作成を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
労働因子と食生活に関する先行研究のレビューや全国規模の疫学研究の成果を学術論文としてまとめ(学術雑誌への掲載)、これらの研究成果を踏まえて、質問票作成を開始できているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は労働因子に関するオリジナルの質問票をもとに、実際に対面でアンケート調査を行う。 事業所を訪問して職種ごとの調査を行うことを想定しているが、様々な職種の方々を含む集団を対象として調査する場合にも、職業ごとの労働因子に関する質の高い調査が可能となるように、質問票内容を十分に検討することとする。 質問票の質を高めるため、引き続き、文献検索、専門家の意見聴取、学会での発表や情報収集を行う。 アンケート調査結果は統計解析を行い、学術論文として発表する方針である。
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