2018年度は「労働因子と食生活」に関連した文献レビュー、全国規模の疫学研究データを用いた解析、専門家の意見聴取、2019年度の「仕事と食生活に関する研究(アンケート調査)」質問票の作成、研究倫理申請、2020年度は1回目のアンケート調査実施した。アンケートver1の内容は①食行動、②仕事について、③食事への興味・関心・知識について、④年齢・性別、⑤質問項目に対する評価とした。新型コロナウイルス感染症流行拡大に伴い、実施規模や場所の変更を行った。2021年度はアンケート内容に修正を加えた上で追加の調査およびデータ解析を行った。1回目の質問票の再検討を行い、質問内容の絞り込み、自由回答式の質問内容の追加やレイアウト変更を行い、追加でアンケート調査を実施した (アンケートver2)。選択式・自由回答式の質問を含む質問票であるため、混合研究のデザインに基づき「労働因子と食生活の関係性」を様々な観点から検討した。アンケートver1(解析対象者35名)では、①仕事と食生活との関係の量的評価、②共変量の量的・質的検討、アンケートver2(解析対象者11名)では、①仕事と食生活についての質問項目の量的再検討、②仕事と食生活との関係の質的評価、③共変量の量的・質的検討を行なった。結果、量的評価では特に「通勤時間と朝食摂取」や「接客と食べる速度」について、新たな知見が得られ、質的評価では、「食べるものを選ぶときに重視すること」、「健康のために食生活で工夫していること」、「自身の仕事が食生活へ影響を与えていると思うか」に関しての回答の多様性が認められた。2022年度は一連の研究結果を踏まえて「職域の健康教育に有用な質問票を開発」に向けて検討するとともに、コロナ禍における働き方の変化や食生活の変化を踏まえ、それぞれの変化についても文献調査を行いながら、今後の研究の方向性についても考察を深めた。
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