研究課題/領域番号 |
18H06365
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
長嶺 由衣子 千葉大学, 予防医学センター, 特任研究員 (70748368)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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キーワード | 要介護度の変遷 / 国保データベース / ぴんぴんころり / 要因分析 / 潜在クラスター分析 |
研究実績の概要 |
予定していたA県B市、C県16市町村、D県14市町村のうち、A県B市のみ分析が可能な状態で2018年度末までにデータを得ることができた。他市町村の進捗については、「現在までの進捗状況」の欄に記載する。 現時点では、A県B市の2006年以降の縦断データを用いて13年間の要介護度の変遷の分析を開始した。潜在クラスター分析により、要介護度の変遷はおおむね3グループに分類することができ、「ぴんぴんころり(=重度な要介護度を介さずに死亡)」グループ、「中等度要介護度で死亡」グループ、「重度要介護度で死亡」グループが見出された。今後、結果の3-13年前のベースライン背景データと結合し、それぞれのグループに至る背景要因の分析を行っていく。 C県16市町村については、年度末にようやくデータは取得できたものの、個人レベルの分析をするための突合キーがなく、地域レベルの分析にとどまっている。結果は、自治体により介護費用や医療費のばらつきがあること、糖尿や高血圧を示唆する健診データに集団として差があることまではわかっている。今回データ取得にご協力をいただいた自治体にフィードバックをしていくため、地域の特性や社会参加状況、人々の行動様式などを説明変数として追加分析を行う予定である。 D県については、後期高齢者分のデータの調整などに時間を要し、未だデータを手に入れられていない状況である。引き続き調整を続け、地域性の有無や比較分析を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2017年度末から、C県庁の国保担当者、分析を希望された16市町村の担当者の方々、D県の市町村国保担当課長、後期高齢担当課長、介護担当課長、国保連合会、A県B市の方々とそれぞれ協力をしながら国保データベースと日常生活圏域・介護予防ニーズ調査のデータの経年データの確保に向けて調整を行ってきた。2018年度末までにC県、A県B市のデータを確保することができたものの、D県については、一部調整が難航し、2019年度にデータ確保の流れとなった。C県についてもデータの確保に1年の歳月を要した理由は、介護、医療、保健すべての部署の合意も必要であったこと、データ抽出に新たな工数を要する可能性があり、県や関連機関との調整に時間を要したことなどが挙げられる。 先行して確保できたデータが分析できる状態になったのは3月半ばであったため、まだ結果は限られているが、分析の結果から、各自治体レベル、小地域レベルで医療費、介護費用や糖尿病の有病率に勾配があることが分かってきている。また、要介護度の変遷については、主に3グループに分類され、それぞれのグループに分類される背景要因とのデータ結合が済み次第、「ぴんぴんころり(=より重度な要介護状態にならずに死を迎える)」の要因を分析していきたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度については、研究代表者が産休・育休確保予定のため、復帰でき次第研究・分析を進める予定である。データ確保については、先方の予定もあるため同研究室や共同研究者のご協力を得て、以下のように進める予定である。 2019年度中にC県のデータのクリーニング、D県のデータの確保を行うべく、今後も各所と調整を行う。C県については、今年度7月頃をめどにクリーニングを終え、D県については早くて9月頃にデータが確保できるよう各所と調整をする予定である。並行して、研究期間中に結果を出すため、A県B市については、個人レベルで問題なく分析ができ、使用できるデータの年数も最も長いため、引き続き分析を進める予定である。
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