研究実績の概要 |
日本における救急搬送患者数は増え続けており、医療費の上昇や医療機関への負荷となっている。海外では救急室受診全体の数%に過ぎない「頻回救急外来受診者」が全救急外来受診の50%以上を占めるなど、頻回受診者への対応の必要性が指摘されている。しかし、日本では頻回救急外来受診者の頻度や特徴は明らかでない。そこで、わたし達の研究室が関連する地域の救急病院から「頻回救急外来受診者」を同定し、その受診回数や医療費が全体に占める割合、特徴、居住地域を同定することで介入が必要な患者層を明確化することが本研究の目的である。本研究は頻回救急外来受診者の割合や特性を把握することで医療費や受診回数の適正化に繋がると考えられる。 2018年度には二次医療機関、三次医療機関各1か所から1年間分のデータを収集した。救急外来受診件数はのべ25,231件(20,388人)であり、年5回以上の頻回救急外来受診者は134人であった。全体の0.66%の頻回救急外来受診者で全受診数の4.1%、全医療費の1.9%を占めていることが明らかとなった。2019年度には解析を進め、頻回救急外来受診者の特徴を明らかにする予定である。
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