本研究はレビー小体型認知症高齢者における口腔セネストパチーの実態について調査した.口腔セネストパチーの治療において精神科医は抗精神病薬による薬物治療により錐体外路症状が出現したときにDLBを疑っていた.歯科医は治療困難時には大学病院に紹介するという方法で対応していた.口腔セネストパチーの治療においては,症例ごとに治療効果のある薬剤が違い,その理由として背景にある精神症状(うつ、不安、認知機能障害)に対して効果があった可能性が考えられた.口腔セネストパチーは精神科と歯科がより密な連携によって,口腔セネストパチーの背景にある精神症状(認知機能障害も含む)の専門的評価の必要性が示唆された.
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