研究課題/領域番号 |
19K21453
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配分区分 | 基金 |
研究機関 | 神奈川県立保健福祉大学 |
研究代表者 |
渡邊 千登世 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (80828484)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 尿失禁 / 認知症高齢者 / 介入プログラム / チーム / QOL |
研究実績の概要 |
2018年度は、チーム変革型尿失禁高齢者ケアプログラムの認知症高齢者への適応のためのプログラム内容について検討した。本年度の研究の目的は、「チーム変革型認知症尿失禁高齢者ケアプログラム」の導入による評価である。研究協力の得られた特別養護老人ホーム1施設において、プログラムの導入を行った。 本プログラムは1~5のステップで構成されており、プログラム導入期間は2019年7月から12月であった。対象の介護職員は19名、看護師5名、認知症高齢者10名であった。プログラム第1と2のステップにおける、「高齢者の尿失禁にともなう心理的・身体的な状態および、排尿障害・尿失禁ケアに関する講義と超音波による残尿測定機器のとり扱いについての指導」はユニット毎に実施し、計4回行った。ステップ3の「施設における尿失禁ケアについての理念の共有、改善点の話し合い」は、介護職員、看護師、OT、栄養士、ケアマネジャーなど多職種で1回実施した。第4ステップの「高齢者への尿失禁に関する教育」は、高齢者の認知症の程度から理解が困難であると判断し、「ケア方法の変更時に介護職員が十分説明を行う」ことへと変更し実施した。第5ステップにおける「排尿日誌、継続的残尿測定に基づく認知症尿失禁高齢者についてのケア計画および修正等のカンファレンス」は、2週間から4週間毎に計7回実施した。カンファレンスでは、研究者がコンサルタントとして、アドバイスを行った。介護職員・看護師が自立して検討できるよう、各ユニットに高齢者尿失禁排尿ケアマニュアルを配備した。 プログラム導入前後の、認知症高齢者の失禁状態、夜間尿量、QOL、介護・看護職員の失禁ケアに関する困難性や学際的チームアプローチ実践評価について前後比較を実施し分析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
特別養護老人ホームにおける研究対象者となる認知症高齢者の家族が遠方に住んでいる場合や後見人がいる場合など同意をとる手続きに時間を要した。また、看護師・介護職員全員に教育を行うプログラムの段階では、施設の規模や勤務上の都合に応じて、予定よりも回数を増やして実施する必要があり、時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は介入研究であり、研究者がコンサルタントとして施設を訪問する必要がある。COVID-19のため外部者の受け入れを中止している施設がほとんどであり、リクルートに難渋している。今後、感染状況に応じてリクルートの検討が必要である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究対象施設が得られず、研究期間を延長したため。
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