研究実績の概要 |
2020年3月にPronto7(マシモジャパン社)の販売終了となった.同じ原理で測定を行う同社のProntoを今後使用するためにその信頼性を検討した.コロナウイルス(COVID-19)の影響により,研究協力施設で妊婦を対象にデータ収集ができなかったため,梅村(課題番号:19K24180 代表)を含む共同研究者とプレコンセプションケアの視点から女子大学生を対象に調査を行った.〔方法〕①対象:愛知県内A大学の学生232名,②調査期間:2020年7月~2020年9月,③調査方法:定期健康診査の採血時に研究者がPronto測定を実施した.〔結果〕1.年齢:19.2±1.10歳,2. Prontoヘモグロビン値(=SpHb値)と血液ヘモグロビン値(=Hb値)の関連 SpHb平均値13.7±0.9g/dlは,Hb13.3±1.0g/dlより有意に高くなった(p<.000).SpHb値とHb値の相関係数はr=0.489(P<.000)であった.3. 相対拡散反射スペクトルにおける760nm波長のピークの有無による分析(ピーク有99名,無131名) 1)SpHb値:ピーク有の平均値13.6±1.0g/dlとピーク無の平均値13.7±0.8g/dlに有意差はなかった. 2)Hb値:ピーク有の平均値13.3±1.1g/dlとピーク無の平均値13.3±0.9g/dlに有意差はなかった.3)SpHb値とHb値の相関:ピーク有r=0.611(p<.000),ピーク無r=0.371と両群において相関がみられた.〔考察〕10~20代女性のProntoの信頼性は高いことが明らかとなった.ピーク有の割合(43.0%)は,本研究の令和元年度までの56名の妊婦データの46.4%とほぼ同様であり,ピークの有無は妊婦特有ではない可能性が示唆された.〔結論〕Pronto7と同様にProntoを扱うことは可能である.
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