目的は,学童期後半における自閉症スペクトラム障害(以下ASDと略す)の子どものレジリエンスの構成要素を本人の語りより明らかにする事である。研究対象は,ASDと診断され普通学校に通学している小学5年生である。研究方法は,インタビュー調査である。面接内容は,自分の癖や特性をどのように受け止めてきたか,生活する中でうまくいかず困っている事とその対処方法,将来の楽しみと不安についてであった。分析方法は,面接データより逐語録を作成し,Grotbergのレジリエンスの3要素に関連した内容についてコード化,カテゴリー化を行い質的に分析した。 結果としてASDの子どものレジリエンスの構成要素は,「I AM要因」として【好きなこと】【自分の性格】【苦手だけど好きになったこと】【これから頑張りたいこと】,「I CAN」要因として,【得意なこと】【頑張っていること】,「I HAVE」要因として,【友達の存在】【友達との関係性】【こまったときの対処方法】【将来の夢】であった。 考察・結論としては,協力者においては,自己全体に対して向けられる評価については理解が進んでおり,他者との違いや自己の良い点にも十分気付きを得られており,情緒発達において年齢相当の発達過程にいる事がわかった。そのため,結論としては,ASDの子どもは,苦手な事,出来ない事がある自分をありのまま受け入れつつある状態であったが,他者と違って今の自分がそれでよいといった自己尊重までは行きついていなかった。
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