研究課題/領域番号 |
19K21478
|
研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
中田 亜希子 東邦大学, 医学部, 講師 (80597857)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 倫理的感受性 / 尺度開発 / 医学系研究 |
研究実績の概要 |
本研究は、医学部の卒前教育に焦点を絞り、研究倫理教育(被験者保護および研究公正)の教育項目、教育時間、教育手法、評価方法の現状把握、および医学部における研究倫理教育のニーズとゴール設定の把握することと、短期間の研究倫理教育の効果を測定する方略のひとつとして、何が倫理的問題であるかに気づく力の尺度開発を試みることを目的としていた。 国内の医学部における研究倫理教育の調査は2018年に終え、学会発表ののちに論文化に取り組んでいるが、いまだ公表できていない。現在、共著者らと論文の内容を見直し、国内の研究倫理領域のジャーナルに投稿する準備を進めている。 尺度開発は、具体的には、医学系研究を対象とした倫理的感受性尺度の開発であったが、進展していない。グリーンブックを参考に、日本の研究者が遭遇しうる倫理的な課題を含む場面のシナリオを複数作成することを試みていたが、場面の絞り込みができていない。 また、先行研究を参考に、感受性尺度は深度の違いをレベル0~3に分け、シナリオに対する回答がどのレベルの倫理的感受性の深度なのかを同定する予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症の対策によって研究倫理の専門家との討論機会が減少したため、具体的な討論を実施できていない。尺度開発には信頼性と妥当性を検討する必要があるが、その目途も立っていない。 今後は、シナリオを作成し、その場面でどのような行動が考えられるのかを倫理的感受性に合わせたレベル別に考える。そして、回答者の研究倫理の教育歴や他の尺度との関連性から、レベル別の回答の妥当性を検討していく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
全国の医学部に行った研究倫理教育の調査結果を、論文として公表出来ていない。 研究における倫理的感受性尺度の尺度開発も進んでいないため。
|
今後の研究の推進方策 |
全国の医学部に行った研究倫理教育の調査結果は日本語で研究倫理を扱う国内のジャーナルに投稿する。現在共著者と話を進めているので、討論が終わり次第、投稿する。 研究における倫理的感受性尺度の開発は、グリーンブックを参考に複数の倫理的な問題を含む場面のシナリオを作成する。そのシナリオの場面で考えられる行動を、研究倫理に造詣が深い研究者らと討論し、倫理的感受性の深化に合わせてレベル別に考え、尺度を完成させる。その後、他の尺度や研究倫理の教育歴などとの関連から作成した尺度の妥当性を検証する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
シナリオが完成せず、尺度を作成することができなかったため、妥当性の検証まで至らなかった。そのため、予定していた研究費を使用することができなかった。次年度は妥当性の検証を行うため、研究協力に対する謝礼や論文投稿に伴う校正費や投稿費が予想される。
|