本研究は、次世代シークエンサーを用いた細菌・ウイルスを含む網羅的なヒト常在微生物叢解析による個人識別法に関する基礎的検討を行うものである。このような網羅的な常在微生物叢のメタゲノム解析による個人識別により、現在のDNA型鑑定に十分な質・量のヒトDNAが得られない資料の個人識別に役立つ可能性がある。これまでヒト皮膚常在ウイルス叢研究は、二本鎖DNAウイルスのみを対象としたものに限られていたが、今回初めてDNAおよびRNAウイルスを包括したヒト皮膚常在ウイルス叢を明らかにした。その結果、多くのヒト皮膚検体から安定して検出されるウイルス種が明らかになり、個人識別の指標となる可能性が示唆された。
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