研究課題/領域番号 |
18H06408
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所 |
研究代表者 |
山崎 朋美 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 衛生化学部, 研究員 (30827275)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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キーワード | ELISA / モノクローナル抗体 / 食肉 / 表面プラズモン共鳴 / イムノセンサー / 豚肉 / 肉種鑑別 |
研究実績の概要 |
本研究は、加工食品において混合使用される機会が多い食肉に着目し、牛肉、豚肉および鶏肉を識別する各モノクローナル抗体を作製し、これらの食肉を同時に識別定量できる新規イムノセンサーの開発を目的としている。食物アレルギーの原因食品の混入や誤食による事故を防ぐため、ELISA による検査が普及しているが、複数の原因食品を同時に識別定量(いわゆる一斉分析)することは難しく、それが可能な検査法の開発が望まれる。本研究により、一斉分析法の開発における基礎的情報を提供できる。また、加工食品に含まれる食肉種の識別定量は、宗教や信条による食品選別の要求においても役立つと考えられる。本年度は、主に以下の3点について研究を進めた。いずれも、新規イムノセンサー開発において基礎となる重要な課題である。 ①豚肉に特異的に反応するモノクローナル抗体を作製するため、豚肉由来のタンパク質、及び、適切に設計した3種類のペプチドに各々キャリアータンパク質を結合させた免疫原の調製を行った。 ②各々の免疫原を用いてマウスモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを作製した。その結果、測定対象とした豚肉由来タンパク質に反応を示す抗体を産生するハイブリドーマ7クローンの作製に成功した。マウス腹水を調製し、モノクローナル抗体を精製した。 ③作製したモノクローナル抗体を用いて、豚肉を検出できる定量系を構築した。測定感度は、検出限界が5.8 ng/mL、定量下限が13.9 ng/mLであった。また、期待通り牛肉、鶏肉には反応を示さなかった。 今後は、同様に鶏肉の定量系を構築し、新規イムノセンサーの開発を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度は、豚肉由来たんぱく質に対するモノクローナル抗体を作製し、豚肉を特異的に定量するための測定系の構築に取組んだ。おおむね当初の予定通りに進んでいると考える。
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今後の研究の推進方策 |
①構築した豚肉の定量系を高感度化するための条件検討を行う。条件検討は、酵素の標識方法、サンプルの抽出方法について行う予定である。 ②鶏肉由来のタンパク質に反応するモノクローナル抗体を作製し、豚肉と同様、定量系を構築する。 ③作製したモノクローナル抗体を使用し、新規イムノセンサーの開発に取組む。
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