研究課題/領域番号 |
18H06409
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所 |
研究代表者 |
鵜飼 友彦 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 公衆衛生部, 主任研究員 (80729195)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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キーワード | インフルエンザ / パンデミック / 予防接種 / 抗体 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、①H1N1pdm09の流行前後に得られたペア血清を用いて赤血球凝集阻止試験(以下HI試験)に加えて中和抗体試験にて血清抗体価を測定し、抗体価上昇の有無を指標としてH1N1pdm09に対する年齢階級別の感染率を明らかにすること。②流行前と直後の抗体価の変化を分析し、感染防御に必要な抗体価を推定すること、の2つである。 本年は、大阪がん循環器病予防センターが所有する、流行前(2009年4月~6月)と流行直後(2010年4月~6月)に採取された冷凍保存ペア血清を、年齢階級毎に7グループ(40歳未満[35名]、40歳~44歳[33名]、45歳~49歳[35名]、50歳~54歳[34名]、55歳~59歳[35名]、60歳~64歳[35名]、65歳歳以上[34名])に分けて、計241名分用いた。それぞれの年齢階級でのインフルエンザに対するHI試験による抗体価を大阪健康安全基盤研究所にて測定した。 新型インフルエンザ流行前に抗体を所持していたのは、40歳未満0.0%、40歳~44歳6.1%、45歳~49歳5.7%、50歳~54歳8.8%、55歳~59歳0.0%、60歳~64歳2.9%、65歳歳以上0.0%であり、流行語は、40歳未満34.3%、40歳~44歳12.1%、45歳~49歳20.0%、50歳~54歳14.7%、55歳~59歳2.9%、60歳~64歳5.7%、65歳歳以上8.8%であり、若年者で感染者が多いことがわかった(Fisher's exact test でP=0.0065)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画通りに進行している。しかし、サンプルが予定より得られず、特に高齢者層が少なくなってしまった。
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今後の研究の推進方策 |
中和試験を用いて、同様に抗体値を測定する。その上で、HI試験と中和試験の結果の比較を行う。 また新型ウイルスへの抗体の上昇した者に対しては、その他のインフルエンザウイルスに対しての抗体価の上昇がないかを確認する。それにより共通の抗原に対する抗体の上昇が起こっていないか、つまりインフルエンザへの共通抗原を保持していないかを調査する。
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