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2019 年度 実績報告書

高齢者における骨格筋の質を示す筋細胞外脂肪の生理学的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K21519
配分区分基金
研究機関中京大学

研究代表者

吉子 彰人  中京大学, 国際教養学部, 助教 (70825124)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2020-03-31
キーワード高齢者 / 筋細胞外脂肪 / サイトカイン / 電気刺激
研究実績の概要

本研究では筋細胞外脂肪 (EMCL) の性質やその生理学的意義を明らかにすることを目的とした.対象者は平均年齢71歳の高齢者35名であった.測定は48時間以上の間隔を開けた2日間で実施された.1日目の測定では採血および磁気共鳴分光法 (MRS) を用いて,血中の脂質,糖質および炎症性サイトカイン,EMCLおよび筋細胞内脂肪 (IMCL) を測定した.各測定は外側広筋への電気刺激前後の2回実施された.2日目の測定では,最大筋力,筋持久力および身体機能テスト (床立ち上がり,30秒いす座り立ち,握力,5m通常速度歩行,5m最大速度歩行,Timed up and go テスト) を行った.また2日目の測定以後,3D加速度センサーを内蔵した活動量計を用いて,14日間の日常身体活動量を記録した.MRSにてEMCLおよびIMCLが測定できた女性17名を対象に,外側広筋から測定されたEMCLとIMCLの関係を検討したところ,これらの値には有意な相関関係が示されなかった (r = -0.25, P = 0.34).またEMCLおよびIMCLと関係する要因をステップワイズ重回帰分析にて詮索したところ,EMCLの説明要因として筋エコー強度と筋厚が選択され,IMCLの説明要因として床立ち上がり時間,体脂肪量および血糖値が選択された.次にEMCLおよびIMCLが測定できた男女23名 (EMS群 18名およびコントロール群5名) を対象に,血液パラメータ,EMCLおよびIMCLを電気刺激前後で比較した.その結果,血中における脂質,糖質および炎症性サイトカインの値に変化がみられた一方で,EMCL・IMCLともに有意な変化が見られなかった.以上の結果から,高齢者におけるEMCLは,IMCLと異なる特徴を持つこと,筋収縮に伴う急性の代謝変化に応答しないことが明らかとなった.

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公開日: 2021-01-27  

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