研究課題/領域番号 |
18H06454
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 広島文化学園大学 |
研究代表者 |
鬼塚 純玲 広島文化学園大学, 人間健康学部, 講師 (20827349)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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キーワード | 暑さ対策 / アイススラリー / 認知機能 / 脳活動 |
研究実績の概要 |
暑熱環境下における運動前のアイススラリー摂取が運動能力を向上させることは多数報告されているが、その背景にあるメカニズムはまだ十分に明らかにされていない。申請者はアイススラリーの摂取が非侵襲的に測定したヒトの脳温を低下させることを明らかにし、脳温の低下がメカニズムのひとつである可能性を示した。脳温の過度な上昇は脳活動に有害な影響を及ぼし、認知機能を低下させ、それが運動能力の低下につながると考えられている。したがって、脳温の低下による運動能力の向上は、脳活動や認知機能への有害な影響の抑制によるものだと考えられる。そこで本研究では、アイススラリー摂取による脳温の低下が、その後の暑熱環境下における運動中の脳活動および認知機能に及ぼす影響について明らかにすることを目的とし、平成30年度は、実験①について、使用する認知課題を検討する予備実験の後、本実験を実施することを計画していた。そこで、まずは申請者が以前実験で使用したものの、認知機能の低下を再現できなかった認知課題について検討し、適度な難易度でゲーム性もあったことで、参加者にとって認知課題が息抜きになってしまっていた可能性が問題点として抽出された。したがって、本研究ではその問題点を解決するために、ゲーム性がなく単純な注意の持続が必要とされる課題としてヴィジランス課題を用いることとした。次に、ヴィジランス課題の中でも運動と関連させて使用している先行研究をまとめた結果、Warm et al. (2008)が使用した課題をもとにJames et al.(2016)が修正して使用した課題が、本研究と同じような実験条件で使用され、かつ認知的疲労が生じたという点から適していると考え、実験①の予備実験に使用することとした。今後は、James et al.(2016)の課題を本研究用に修正し、予備実験を実施していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
課題の決定までは順調に進んでいたが、課題のプログラムの作成に時間がかかり、現在の進捗状況となった。また、申請当初予想していたよりも、研究以外の業務が非常に多く、研究に充てられる時間が少ないことも理由のひとつであると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
研究に充てられる時間が少ないが、比較的業務が少ない学生の休業期間中に研究に充てる時間を増やし、まずは実験①で使用するプロトコルの確立のため、可能な限り予備実験を実施していく。
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