研究課題/領域番号 |
19K21530
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配分区分 | 基金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
杉浦 健人 名古屋大学, 情報学研究科, 研究員 (10821663)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 確率的イベントストリーム / パターンマイニング / 正規表現 |
研究実績の概要 |
本研究の目的である確率的イベントストリームにおけるパターンマイニングのための索引構築について,3つのサブ課題の一つである「確率的イベントストリームからのモデル(有限オートマトン)抽出」を中心に取り組んだ.特に,ある確率的イベントストリームを有限オートマトンとしてモデル化するための前準備として,確率的イベントストリームからの正規表現パターンの抽出について取り組んだ.有限オートマトンとしてモデル化する際には,そもそもベースとなる正規表現を適切に選択する必要がある.そのため,確率的イベントストリームの各イベント,つまり各時刻における離散確率分布から情報理論に基づく性質(最小記述長:minimum description length)を用いて正規表現を構築する手法を検討していたが,その過程で確率的イベントストーム上での正規表現パターンの扱いについてより深い検証と議論が必要なことが明らかになった.そこで当該年度では,確率的イベントストリームを表す適切な正規表現パターンについて検討するために,再度確率的イベントストリームから正規表現パターンを抽出する手法の研究開発を行った.また,パターン抽出の手法と合わせて,確率的イベントストリームを表す正規表現を列挙するためのパターンマイニング手法の検討も開始した.ただし,これは本研究全体の目的で挙げた複数の確率的イベントストリームにおいて共通する正規表現パターンをマイニングするものではなく,単一の確率的イベントストリームから尤度の高い正規表現パターンを列挙する手法である点に注意する.当該成果については,延長期間における成果発表を目指している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究課題を申請した際の見積りと異なり,確率的イベントストリームにおける正規表現パターンの扱いについてより詳細な検討が必要となったため,進捗状況に遅れが生じている.具体的には,正規表現によってパターンを抽象化することで得られる尤度の増加とパターンとしての曖昧さの増加とのトレードオフについて,より厳密な議論が必要となったため,この点についての検討を進めている.
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今後の研究の推進方策 |
進捗状況の項で述べたとおり,確率的イベントストリームにおける尤度の増加とパターンの曖昧さの増加とのトレードオフの扱いという研究遂行上での課題が得られたため,まずはこの課題の解決に取り組む.特に,単一の確率的イベントストリームからのパターンマイニング手法の研究開発に取り組み,正規表現パターンの尤度と曖昧さをマイニング条件としての利用について検討する.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画の遅れに伴い論文誌投稿時期も次年度へずれたため,論文誌投稿のための英文校正料などを繰り越して使用する.
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