東京五輪に向けて、機械翻訳の精度向上が急務である。本研究では、機械翻訳の自動評価および画像を用いるマルチモーダル機械翻訳に取り組んだ。 前者について、機械翻訳の訓練においては、正解文と表層的に異なる翻訳文は意味的に正しくともペナルティを受けてしまう。そこで、文のベクトル表現を用いる自動評価手法を提案し、正解文の表現への依存を減らしつつ人手評価との高い相関を達成した。 後者について、従来のマルチモーダル機械翻訳では画像を等間隔に分割して利用しており、テキストとの対応付けが難しかった。そこで、意味的な単位に分割した画像を用いるマルチモーダル機械翻訳手法を提案し、性能の改善を確認した。
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