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2018 年度 実績報告書

知識ベースと統計的機械学習の協調による知的センサデータ解析

研究課題

研究課題/領域番号 18H06487
配分区分補助金
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

武石 直也  国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, 特別研究員 (20824030)

研究期間 (年度) 2018-08-24 – 2020-03-31
キーワード統計的機械学習 / 知識ベース / ナレッジグラフ / 事前知識 / 専門家知識 / センサデータ解析
研究実績の概要

本研究の一義的な目的は,工学システムの運用にセンサデータを効率的に活用するために,知識ベースなどの形の専門家事前知識を統計的機械学習に活用する方法を開発することにある.
この目的にむけ,当該年度においては,不完全な知識グラフで表される事前知識を確率的生成モデルの事前分布として利用する方法を開発し,その成果を査読付き国際ワークショップや国内会議等において発表して有用なフィードバックを得た.ここで開発した手法を用いることで,特徴量間の関係性に関する事前知識が直接は明示されていない(かわりに間接的な関係を含む知識グラフとして表される)場合においても,それを確率的生成モデルの正則化等に利用可能であることを示した.ただし,本手法は適用可能な確率的生成モデルの種類が限られるという限界があり,それをうけて当該研究をさらに発展させた手法の開発にむけた準備を進めた.
また,センサデータの背後の支配方程式に関する部分的な知識をシステム同定のために活用する方法を開発し,その成果を査読付き国際会議論文として発表した.ここで開発した手法は,観測データの背後にある確率偏微分方程式で表される支配方程式を推定するためのもので,本研究では特にその支配方程式の一部について事前知識がある場合にそれを利用する方法を示し,また実際に性能が向上することを実験的に示した.応用場面ではしばしば観測対象の現象に関する物理的な事前知識が存在し,本手法はそのような場面で有用と考えられる.
さらに,センサデータなどの時系列を解析するとき,観測対象システムの動作モードが離散的に変化することが事前知識としてわかっている場合にそれを活用する方法を開発し,その成果を査読付き国際会議論文として発表した.具体的には,データによる力学系解析手法として知られる動的モード分解の確率的解釈に基づく拡張手法を提案し,その有用性を確認した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

さまざまな種類の事前知識を統計的機械学習に効率的に利用する方法について検討が進み,また実験的にも有用性を確認することができたため.

今後の研究の推進方策

これまでに開発した手法は統計的機械学習に事前知識を活用するために有用であるが,適用可能な機械学習モデルや事前知識の形式にはまだ限定的である.そのため,より一般の機械学習モデル・事前知識に関して適用可能な方法について研究を進めることが重要である.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Neural Gray-Box Identification of Nonlinear Partial Differential Equations2019

    • 著者名/発表者名
      Sasaki Riku、Takeishi Naoya、Yairi Takehisa、Hori Koichi
    • 雑誌名

      Lecture Notes in Computer Science

      巻: 11671 ページ: 309~321

    • DOI

      doi.org/10.1007/978-3-030-29911-8_24

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Factorially Switching Dynamic Mode Decomposition for Koopman Analysis of Time-Variant Systems2018

    • 著者名/発表者名
      Takeishi Naoya、Yairi Takehisa、Kawahara Yoshinobu
    • 雑誌名

      Proceedings of the 2018 IEEE Conference on Decision and Control

      巻: - ページ: 6402~6408

    • DOI

      10.1109/CDC.2018.8619846

    • 査読あり
  • [学会発表] Knowledge-Based Distant Regularization in Learning Probabilistic Models2018

    • 著者名/発表者名
      Naoya Takeishi、Kosuke Akimoto
    • 学会等名
      The 8th International Workshop on Statistical Relational AI
  • [学会発表] 知識グラフによる生成モデル学習の正則化2018

    • 著者名/発表者名
      武石 直也
    • 学会等名
      第21回情報論的学習理論ワークショップ

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公開日: 2021-01-27  

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