研究課題/領域番号 |
18H06498
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
中山 貴文 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 助教 (80829440)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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キーワード | カロリー制限 / 発がん |
研究実績の概要 |
本研究では、カロリー制限と発がんの両方に深く関係しているオートファジーとアポトーシスの臓器における応答の違いが、カロリー制限による発がん抑制効果の臓器特異性に関わっていると仮定し、カロリー制限による発がん抑制効果が小さかった胸腺と大きかった肺、肝臓における放射線被ばく後のカロリー制限によるオートファジーとアポトーシスの誘導を比較することで、カロリー制限による発がん抑制効果に臓器特異性が生じる原因を明らかにすることを目的としている。 本年度はオートファジー関連タンパク質(LC3、p62、Atg5、Atg7)の蛍光免疫染色に用いる抗体と至適条件を検討するため、24時間絶食したC57BL/6マウスの肝臓と生後1日齢の新生児マウスの組織切片を用いて蛍光免疫染色を行った。これらの組織切片を用いた理由は、飢餓状態にあるマウスや母親の胎盤からの栄養供給がなくなった新生児マウスにおいてオートファジーの活性が上昇することが報告されているためである。 解析に使用する胸腺、肺、肝臓のサンプリングや組織切片の作成ついては、本年度はオスのB6C3F1マウスに1週齢時にX線3.8 Gyを照射し、7週齢から30%カロリー制限群と非制限群に分け現在飼育中である。今後、カロリー制限後の複数の時点で臓器のサンプリングを行い、組織切片の作成を行う予定である。また、マウスの体重については毎週測定を行っており、カロリー制限開始後2週間の時点でカロリー制限群と非制限群のマウスの体重に有意な差が生じており、カロリー制限実験は順調に進行していると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、24時間絶食したC57BL/6マウスの肝臓と生後1日齢の新生児マウスの組織切片を用いてオートファジー関連タンパク質(LC3、p62、Atg5、Atg7)の蛍光免疫染色に用いる抗体と至適条件の検討を行い、使用する抗体と至適条件を決定した。 また、C3H/HeNマウスのオスと交配済みの妊娠後期のC57BL/6Nマウスを購入し、生まれたB6C3F1マウスのオスを1週齢時にX線3.8 Gyを照射した照射群と非照射群の2群に分けた。その後、7週齢から30%カロリー制限を行う制限群と非制限群に分け、4つの実験群の飼育を行っている。現在、4つの実験群ともに長期のタイムポイントである肝がん発症前の時期(28、42、57週齢)で解剖予定のマウスを飼育している。
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今後の研究の推進方策 |
現在飼育しているマウスについては解剖予定の週齢まで引き続き飼育する。また、短期のタイムポイントであるX線照射直後(24、72時間)、カロリー制限直後(24、72時間)、胸腺リンパ腫発症開始前(8、10、14週齢)の時期に解剖するマウスの飼育を開始する予定である。 また、上記のマウスが解剖予定の週齢に到達次第、臓器のサンプリングと組織切片の作成を行い、オートファジー関連タンパク質の蛍光免疫染色とウエスタンブロットによる解析を行う。
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