研究課題/領域番号 |
19K21566
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
三成 寿作 京都大学, iPS細胞研究所, 特定准教授 (60635332)
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研究分担者 |
小門 穂 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (20706650)
木村 めぐみ 一橋大学, 大学院経営管理研究科, 特任講師 (50711579)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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キーワード | ELSI / 生命倫理 / 規律 / ゲノム |
研究実績の概要 |
生命科学の発展は社会に恩恵だけでなく不利益をももたらし得る。最近では、植物や動物、人間を含め、生物の遺伝情報を容易に読み取れるため、このような遺伝情報をどのように取り扱っていくかが国際的に重要な論点となってきている。特に最近のゲノム編集技術やゲノム合成技術を用いることにより、様々な生物の遺伝情報を人為的に改変できるため、どのような改変をどのように認めていくかについて議論が必要になってきている。この研究では、最先端の生命科学の動向を調べつつ、社会的に求められる規範やルールのあり方について国際的な視点から検討する。初年度においては、ゲノム編集技術や合成生物学を中心に、最先端の生命科学や関連する倫理的・法的課題に関する動向の把握に努めた。特にゲノム編集技術の出現により、国内において規制に関する様々な議論が進展しているため、このような現状に対する俯瞰的な整理を試みた。ヒトに関して、本研究の一部は、生命倫理法体系の把握としてフランス生命倫理法の改正審議の考察や、ゲノム編集技術や合成生物学の意識調査に関する検討に寄与した。またヒト以外に関しては、成果の一部を第31回日本生命倫理学会年次大会(公募シンポジウム「ゲノム編集技術が社会に及ぼす影響と食・農分野における課題」)において報告した。さらに、科学と社会とのつながりについては、米国や英国、仏国等を対象に、パブリック・エンゲージメントやELSI等を含め、人文・社会科学領域に関する取り組みについて情報収集や意見交換を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ゲノム編集技術を中心に、国内外の政策的な取組みについて検討できており、成果の一部はすでに公表できているため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度も、本課題に関する文献・ヒアリング調査を継続する。特に、歴史的視点や国際的視点を重視して取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:研究を進めていく上で効率的に研究費を執行したことにより、当初の見積額よりも執行額を少額に抑えられたため。 使用計画:次年度の情報収集等において使用する。
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